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地方競馬3歳女王決定戦のレース名にもなった南関東伝説の女王ロジータ



かつてケーエフネプチュンやマキバサイレント、最近ではクラーベセクレタなどが勝ち馬に名を連ねる地方競馬3歳女王決定戦であるロジータ記念が川崎競馬場行われ、ミスミランダーが接戦を制して優勝しました。ミスミランダーは黒潮杯などを勝った強豪で、今日のロジータ記念勝ちで重賞3勝目となりました。レースを見たのですが、森泰斗騎手がとても上手く乗ったなぁという印象。内側の経済コースをきっちりと走りきって、外を回って追い込んできた1番人気のリンダリンダなどをしのぎきった。

ところで「ロジータ記念」の「ロジータ」とは何ぞやと思う人もいるかもしれませんが、ロジータとは1980年代後半に登場した川崎の名牝の名前で、その走りは「川崎の伝説」とも言えるものでした。


「南関東の女王ロジータ」
旧4歳になって重賞3連勝したとこで陣営は牝馬クラシックではなく牡馬クラシックを目指すことを決めました。もう牝馬相手と戦っても意味はないと判断したのでしょう。それくらい圧倒的な強さを示していました。そして南関東クラシック初戦の羽田盃に参戦するわけですが、見事に勝利し、続く東京ダービーも勝利。あっさりと二冠を達成します。その後は古馬との初対戦となった報知オールスターCでは、名騎手佐々木竹見を背にした古豪ダイタクジーニアスに破れ(2着)、中央のオールカマーでは初芝、初中央という3歳牝馬には過酷な条件にもかかわらず5着に健闘。そして、南関東に戻って東京王冠賞を勝って見事に南関東三冠を達成します。

三冠達成後は中央のジャパンカップにチャレンジしますが、ここではさすがに15着惨敗を喫します。しかし暮れの大井で行われた「地方の有馬記念」である東京大賞典では岩手の怪物スイフトセイダイなどを相手に0.7秒差をつける圧勝劇を見せ、年明け2月の川崎記念を最後に引退を表明します。


伝説のラストラン「1990年川崎記念」
1990年2月、寒風の中行われた川崎記念では「単勝1.0倍」という圧倒的人気になったロジータ。8頭だてとなったこの年の川崎記念では、ロジータ以外の7頭全てが単勝万馬券というあたりで、いかにそこにいた誰もがロジータの勝利をレース前から確信していたかがわかります。

上の動画はそのロジータのラストランとなった川崎記念の様子。レース半ばから手綱を持ったままでスーッと先頭に立ち、そのまま横綱相撲。終わってみれば2着に1.6秒差の圧勝。見事なラストランを飾り、地元川崎のファンに別れをつげ、第二の人生を送るため北海道へ帰っていきました。


現役時代とひけをとらない繁殖成績
繁殖牝馬となったロジータの初仔は父ナスルエルアラブのシスターソノ。デビュー2連勝を飾り、3戦目のG1阪神3歳牝馬S(現阪神ジュベナイルフィリーズ)では1番人気におされるほどの人気と実力を誇りました(結果はヒシアマゾンの11着)。オースミサンデーは父サンデーサイレンスの良血で、弥生賞2着、父コマンダーインチーフのイブキカバメントは重賞2勝、その弟のカネツフルーヴ(父パラダイスクリーク)は母譲りのダート適性を見せ、地方交流競争で勝ちまくりました。その他、ジャパンダートダービー2着のアクイレジアなど数多くの実力馬を輩出。名繁殖牝馬としても確固たる名声を得ました。

初仔シスターソノの仔、レギュラーメンバーは交流G1を2勝し、ドバイワールドカップにも参戦するなどダートで一時代を築いた名馬。ちなみに母ロジータの引退レースとなった川崎記念はカネツフルーヴ、レギュラーメンバーも勝っており、3世代で制覇している。川崎のオールドファンも嬉しいことでしょうね。

ロジータの父は名種牡馬ミルジョージ。ミルジョージはダートの名馬もたくさん生んでおり、ロジータはその代表産駒の一頭となっています。母のスピードキヨフジの父はチャイナロックなので、父母両方からスタミナとダート適性、タフさ、勝負根性などを受け継ぎ、そして子孫にも確実に伝えていったわけですね。えらい馬だなぁ。ちなみにスピードキヨフジの妹にはシンザン記念を制した名牝ミルフォードスルーがいます。血統的に地味な名前が多いけど、すごく優秀な血脈ですね。



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